強度近視のため眼鏡を新調する際にいつも苦戦するオザワ(@HarohelloHello)です。
私は飛蚊症持ちです。飛蚊症を初めて発症したのは20代後半のことでした。40歳を過ぎたつい先日、飛蚊症の症状が悪化していることに気付いたため、眼科で眼底検査を受けてきました。
ネットで調べたところ飛蚊症について悩まれている方をたくさん見かけたため、情報をシェアするために私の体験を記事として残しておきます。
飛蚊症とは
飛蚊症の症状
明るい所や白いもの、青空を見た時に、目の前に糸くずやアメーバのような「浮遊物」が見える症状を飛蚊症(ひぶんしょう)と呼びます。視線を動かしても一緒に移動してくるように感じます。
出典:ゆり眼科クリニック「飛蚊症の治療」
「浮遊物」の数や形、大きさは様々で、まばたきをしても目をこすっても消えない特徴があり、暗い所では気にならなくなります。
飛蚊症の原因
飛蚊症の原因は、生理的な原因と病的な原因があります。
生理的原因による飛蚊症
目の中には硝子体というゼリー状の物質がぎっしりつまっています。この硝子体は完全に透明ではないため、幼少期でも飛蚊症を自覚することはあります。
引用:ISHINKAI GROUP
年齢的変化に伴ってゼリー状の部分が融解して萎縮してくると、網膜と硝子体の間に隙間(=後部硝子体剥離)ができますが、この変化が起きた直後は、「飛蚊症」の症状を自覚しやすくなります。
病的原因による飛蚊症
網膜裂孔、網膜剥離、眼底出血、ぶどう膜炎などの恐ろしい病気でも、硝子体に濁りを生じて「飛蚊症」や「光視症」が初期症状として出現するものは少なくはありません。
引用:ISHINKAI GROUP
飛蚊症や光視症の症状がある場合は、精密眼底検査を受ける必要があります。
飛蚊症の症状が出たら決して放置してはいけない
重要なことなので一番最初に書いておきます。
飛蚊症の症状がでたら、決して放置してはいけません。すぐに眼科に行って検査を受けてください。
飛蚊症の原因が生理的なものなら問題ありません。しかし、網膜剥離や眼底出血などが原因で飛蚊症を発症している場合は速やかに治療が必要になります。
飛蚊症の原因が生理的なものなのか、病的なものかは眼科医でなければ判断できません。治療を怠ると失明する可能性もあります。決して放置してはいけません。
飛蚊症を放置してしまった芸能人の体験談
民安ともえさん(声優)
声優の民安ともえさんは飛蚊症を放置したために、その裏に隠れた病気に気付くのが遅れてしまいました。結果、網膜剥離の手術をすることになり、その経過をブログで綴っています。
飛蚊症の症状が出た際に眼科に行かずに放置していると、最悪どういう状況になるのか勉強になります。私は民安さんのブログを読んで、病院に行く決心を固めました。
網膜剥がれてくっつくまで。〜網膜剥離手術のコト〜
民安ともえさんの場合、網膜裂孔の段階で発見できていればレーザー治療だけで済んだかもしれません。網膜剥離にまで発展してしまうと手術も大がかりになり、肉体的・経済的負担も増していきます。
病院に行って検査をして病名を告げられるのは怖いことです。しかし、それを怖がって病院に行かずに放置してしまうと、もっと怖いことになってしまう可能性があります。
飛蚊症の場合、生理的なものならば何の問題もありません。自分の飛蚊症が生理的なものか病気なのか白黒はっきりつけるためにもすぐに病院に行きましょう。
その方がすっきりした気分で毎日を送ることができると思います。
飛蚊症の症状に初めて遭遇した20代後半
私が初めて飛蚊症に気付いたのは20代後半(28~29くらい?)の頃です。初めて飛蚊症になった時はとても驚きました。
コンタクトレンズの汚れと勘違いした飛蚊症
最初はコンタクトが汚れているのだと勘違いしました。使い捨てコンタクトレンズを連続装用するなど決して褒められない使い方をしていたこともあり、コンタクトの汚れだと疑うこともありませんでした。今思えば目にとってひどい生活をしていたものです。
帰宅してコンタクトを外してこれですっきりとなるはずが…、なぜか黒いモヤ・ゴミが視界から消えません。その瞬間、理解したのです。「問題があるのはコンタクトレンズではなく、私自身の眼なのだ!」と。背筋が凍り付きました。
視力というのは人が生きていく上でとても大切な能力です。そこに異常が発生した恐怖は今でも忘れることができません。
生理的飛蚊症の診断を受ける
軽いパニックに陥りながら、翌日、急いで眼科へ駆け込んだところ、「飛蚊症」と診断されました。生理的飛蚊症です。網膜剥離・網膜裂孔などといった病気が原因ではないので問題ないとのことでした。
病気ではないということで一安心しましたが、生理的飛蚊症は病気ではないため治療法はないと聞いてがっくりしました。つまり、黒いモヤモヤが見える状況は変わらないからです。
どうしても気になる場合はレーザー治療などの選択肢があるとのことでした。しかし、眼の手術は恐ろしく感じました。
飛蚊症が気になって気になって何も手に付かないといった状況にならない限り、とても手術は選択できません。手術は最後の手段です。鬱陶しいことこの上ありませんが、飛蚊症とうまく付き合っていくしかないなと諦めました。
飛蚊症が悪化していることに気付く
それから10年以上の時が経過しました。その間、当然のことながら飛蚊症が消えることはありませんでした。
とはいえ慣れてしまったのか、時間の経過とともに目の隅の方にモヤやゴミが移動していったのか、さほど気にならなくなっていました。
視界に黒いモヤモヤが増えていることに気付く
ところが40歳を過ぎたつい先日、視界に広がる黒いモヤモヤの数が急に増えていることに気付いたのです。
気のせいかなと最初は思いました。しかし、屋外はもとより屋内でも気になるくらい、目の前にふわふわと黒いモヤが浮かび上がってきます。どう考えても気のせいではありませんでした。
そのとき、最初に飛蚊症になったときに眼科医に言われたことを思い出したのです。
「もし今後、黒いモヤ(ゴミ)の数が急激に増えたり、暗闇の中で目を動かしたときにピカピカと光を感じるようなことがあればまた検査を受けにきてください」と。
試しに目を閉じて眼球を左右に動かした所、丸い光がピカピカと光るのが確認できました。おそらく、光視症でしょう。
光視症についてはこちらの説明が分かりやすいです。
眼球の中に含まれる「硝子体」は、若い頃は網膜に接着していて、加齢とともに縮み、網膜から剥がれてきます。
これ自体は硝子体剥離という現象で誰にでもおこることなのですが、とくに網膜の端の方では硝子体と網膜の接着か強いため、硝子体が網膜を引っぱる力が働きます。
この網膜を引っぱる刺激が、光として感知してしまうのです。それゆえに、多くの光視症が視界の端の方にでてきます。いずれ、端の網膜からも硝子体が剥がれてしまえば光視症はなくなりますが、接着が強すぎて網膜が裂ける、網膜裂孔の前兆のこともありますので注意が必要です。
出典:えのき眼科「光視症」
光視症もあることから、加齢によって硝子体剥離が進んで、その影響で飛蚊症が悪化したのかなと推測しました。
とはいえ、加齢による影響で問題ないのか、網膜剥離・網膜裂孔の兆候なのかは眼科で眼底検査をしてみなければ分かりません。
少し悩むも眼科に行く決心をする
病院というところは、積極的に行きたい場所では決してありません。私も病院は嫌いです。待ち時間も長い印象があります。
人口当たりの眼科医の人数から鑑みれば致し方ないことかもしれませんが、数時間の待ち時間は苦痛です。
「病院行くの面倒だな。嫌だな。でも、網膜剥離や網膜裂孔だったら早めに行った方がいいよな~。取返しがつかないことになったらもっと嫌だし。でも面倒だな~」
などと色々悩み、10日ほど経過してようやく重い腰をあげ眼科へ行きました。正直、遅いです。自分の決断力の鈍さが悲しくなります。
生理的現象による飛蚊症にせよ、病気によるものにせよ、白黒はっきりつけない限り、何をしていても1日中眼のことばかり考えている生活も疲れます。素直に即病院が吉です。
眼科の受付から眼底検査・診察までの流れ
私が実際に体験した眼科での受付から眼底検査・診察まで流れを書いておきます。病院へ行く前にシミュレーションしておくと不安が和らぐかもしれません。
受付⇒問診表の記入・看護師による聞き取り⇒視力などの各種検査⇒眼底検査のために散瞳薬(目薬)をさす⇒散瞳薬が効くまで30分程度待機⇒眼圧などの検査⇒眼科医による診察
3~4時間は平気で待たされることを覚悟していましたが、たまたま空いていたのか受付をすませてから2時間かからず病院を出ることができました。
10数年ぶりの眼科でした。各種検査の流れは効率化されており、気持ちよいほどテキパキと進んでいきます。自分が工場の流れ作業で扱われる製品になったみたいな感覚でした(笑
無駄を徹底的に排除していく仕組みが待ち時間の短縮に繋がっているのかもしれないなと感じました。
眼底検査を受ける際の注意事項
飛蚊症の場合、網膜などに異常がないか調べるために眼底検査を行います。
眼底検査を受けるためには、瞳をひろげる散瞳薬の目薬をささなければなりません。瞳をひろげた状態にしないと、眼科医が目の奥をしっかり見て診察することができないからです。
散瞳薬が効いてくると、目がぼやけたり、光を眩しく感じるようになります。どれくらい眩しく感じるかというと、日中外にでたら顔をあげられないくらい眩しくなります。
元の状態に戻るまでに4~5時間ほどかかると言われましたが、私の場合は6時間弱かかりました。眼底検査を受ける際は、検査後のスケジュールは最低でも6時間は空けておきたいですね。
自動車やバイクで行かない
当然、視力が戻るまでの間は車やバイクの運転はできません。車やバイクで眼科に行ってしまうと、帰りの運転ができなくなるため眼底検査が受けられません。必ず徒歩やタクシー・電車などの公共交通機関を利用しましょう。
20代後半の頃に飛蚊症になって眼科に行ったときは、何も知らなかったので普通にバイクで行きました。
看護師さんからバイクで来ていると眼底検査ができないと言われ、慌てて眼科の近所にあった知り合いの漫画喫茶の駐車場にバイクを止めさせてもらい事なきを得ました。
検査終了後はその漫画喫茶で6時間ほど休んでから帰宅するという苦い経験をしました。
つばの広い帽子やサングラスを用意しておく
眼科からの帰り道は散瞳薬の影響でとにかく眩しいです。つばの広い帽子やサングラスを用意しておくと、帰り道が楽になります。私は麦わら帽子を被っていきました。
20代後半の頃に眼底検査した際は、何の知識もなかったため帽子など用意しているわけもなく、眼科から漫画喫茶までの数百メートル程度の道のりに苦労しました。とても遠くに感じましたね。
眩しいので下を向いて歩きたいのに、横断歩道では信号や車を確認するために顔を上げなくてはならず辛かったです。顔を下げたままだと危険だし、顔を上げると眩しいしと踏んだり蹴ったりの状況でした。
今回は眼底検査があること予想して徒歩で病院まで行き、帰り道に眩しくならないよう麦わら帽子を被っていったので、まったく問題ありませんでした。
帰宅途中、帽子の効果がどれほどが確かめるために一度麦わら帽子を脱いで確かめてみたところ、案の定顔をあげていられないくらい眩しかったです。帽子があるとないとでは雲泥の差だと痛感しました。眼底検査に行く際には帽子必須です。
眼鏡の上からかけることのできるオーバーサングラスと併用するとさらに楽です。
眼科医に聞きたいことは大きな字でメモ書きしておく
病院へ行く際は、気になること・心配なことはすべてメモ書きしておいて、診察のときに漏れなくすべて質問しておけば安心できると思います。
診察の時は散瞳薬が効いていてピントが合わない状態なので、メモは大きな字で書いておくことをオススメします。小さい字などを読むことは難しいです。
記憶頼りだと質問に抜けがあったり、質問に時間がかかったりしてしまいます。
質問内容を整理して診察に臨むことで、診察時間の短縮にも繋がります。個々人の診察時間が短縮されれば、それは待ち時間の短縮としてすべての患者さんの利益になります。長い待ち時間が好きな人はいませんからね。
診察結果はやはり生理的飛蚊症
診察結果は、加齢による生理的飛蚊症(後部硝子体剥離)とのことでした。網膜に問題は見られませんでした。ピカピカ光が見えるのは光視症と診断されました。
網膜剥離などが原因で黒いモヤ・ゴミが増えたわけではないので、とりあえず一安心です。とはいっても、悪化した飛蚊症はそのままなわけで、いずれ慣れるか症状が落ち着くのを待つほかありません。
レーザー治療により飛蚊症を軽減するという手段もありますが、私の考えとしては失明を避けることが一番重要なので、病気でもないのに目の手術をする選択肢はありません。
手術にはメリット・デメリットが必ず存在します。デメリットよりもメリットの方がはるかに大きいときだけ手術を行うべきという価値観です。
飛蚊症レーザー治療は、必ずしも効果があるわけでもないようですしね。手術である以上、様々なリスクも存在します。
飛蚊症治療に関しては、平松類医師の動画が分かりやすいです。
私が目の手術をするときは、なんらかの病気になったときだけと考えています。
強度近視ゆえ、網膜剥離だけでなく、緑内障や黄斑変性などといった病気にかかる可能性も正常な人より高くなっています。
今回の眼底検査をきっかけに、今後は最低でも毎年1回は定期検診を受けることを決めました。間隔が空いてしまうと眼科に行くのが怖くなってしまうので、定期的に通うのが精神的にも肉体的にも一番良いと思います。
飛蚊症に悩む人は多い
飛蚊症はよくある症状です。ツイッターで「飛蚊症」と検索してみると、飛蚊症で悩まれている方のツイートがたくさん見つかります。
まとめ
眼の異常を感じた際は放置せずに速やかに眼科へ赴くことが最も重要です。自分で大丈夫だろうという判断をしてはいけません。
今は眼科医学も進歩しているので、日帰りの手術が可能になったりと患者側の負担も軽くなっています。
知らないことで必要以上に不安になったり、病院を避けてしまうことがないように、私は普段から眼科医学情報に触れるようにしています。
自分の眼はどんな状態なのか? 今後、どんなリスクがあるのか? その際に必要となる治療はどういったものなのか? 予後はどうなのか?
そういった疑問も、日々学ぶことで少しずつ解消されていきます。私は最新の眼科医学情報を平松類医師のyoutubeで勉強しています。
ツイッターで情報発信している眼科医も増えてきました。私は「ゆきむら医師」をフォローして勉強しています。