AGI(汎用人工知能)はあなたのFIREをどう変える? 後悔しない「知識投資」の守備戦略

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FIREを達成したあなたを今、最も不安にさせているものは何でしょうか?

それは「資産が予想以上に早く減ってしまうのではないか」という金融の不安でしょうか? それとも加齢に伴う肉体の変化でしょうか?

しかし、本当に恐ろしいことは想像を超えてやってきます。私たちが恐れるべき本当の恐怖とは「今ある常識がすべてひっくり返ること」です。

現在、AGI(汎用人工知能)という「人間と同じか、それ以上の知能を持つ頭脳」の誕生が迫っています。

AGIは、あなたのFIRE後の収入源社会のルールを根底から変えてしまう可能性が高い、予測不能な巨大なノイズです。

私たちは、この未来のノイズに対し、目先の情報(短期視野)に惑わされず将棋の大局観のように、盤面全体(社会全体)を冷静に見つめる「長期視野」を持つ必要があります。

そして、このAGI誕生前夜の不安を「知識への絶好の投資サイン」と捉え直しましょう。

例えるなら、バリュー投資家が暴落を買いのサインと判断するのと同じです。不安と恐怖こそが、最高の投資タイミングを教えてくれるのです。

この記事では、AGI時代に後悔を最小化し、非課税資産(知識)を最大化するための「知識投資の守備戦略」を解説します。


AGI(汎用人工知能)とは何か?

AGIの定義と「上位互換」という認識

現在のAI(ChatGPTなど)は「弱いAI」と呼ばれ、特定の仕事しかできない「専門家」です。

それに対し、AGIは「人間と同じか、それ以上の知能を持つ頭脳」であり、人間がする知的な作業なら何でもできる「万能な頭脳」です。

AGIは、現在のAIが持つすべての機能を備え、さらに新しい問題解決能力を持つため、AIの「上位互換」と認識して問題ありません。

特徴現在のAI(弱いAI)AGI(汎用人工知能)
得意なこと一つの分野の「専門家」(特定の仕事しかできない)あらゆる分野の「万能な頭脳」(人間ができる知的なことは何でもできる)
特定の道具(翻訳機、電卓、特定のゲームソフト)ドラえもんの頭脳、アイアンマンのAI「ジャービス」

シンギュラリティとAGIの関係

シンギュラリティは「予測不能な爆発的な変化」のことで、AGIはその変化を引き起こす「トリガー(引き金)」だと理解してください。

AGIが完成すれば、社会のルールが大きく変わるシンギュラリティという未来がより現実的のものとなります。


AGIが「FIRE後の生活」にもたらすノイズ

AGIという巨大なノイズは、FIRE後の収入源金融資産の安定にも大きく影響します。

FIRE後の収入源にもたらすノイズ:AGIに奪われる「非効率な仕事」

FIREを達成した人(または目指す人)の中には、生活費を補う程度の労働(サイドFIRE)を続ける選択をする人もいます。

AGIは、時間とエネルギーを奪う「非効率な仕事」から順に代替していきます。AGIが得意とするのは、「大量のデータを正確に処理する」作業です。

もし、あなたがFIRE後の収入源として「単調なデータ入力」「簡単なコンテンツ作成」といったAGIが代替できる非効率な労働に頼っている場合、その収入源は簡単に失われるというノイズに直面します。

金融資産の安定にもたらすノイズ:ボラティリティの拡大

AGIは、金融市場の情報処理速度を極限まで高めます。

これにより、誰もが簡単に市場の情報を得られるようになる反面、市場の「予測不能なノイズ」は増大します。

💡 なぜAGIは市場のノイズを増大させるのか?

この現象は、AGIがアルゴリズム取引超高速取引)をさらに進化させることで起こります。

ここで、多くの方が誤解する「アルゴリズムとAIの違い」を明確にしておきましょう。

  • アルゴリズムとは「手順」です。 2010年のフラッシュ・クラッシュ(参考事例参照)を引き起こしたシステムは、主に「決められたルール通りに売買を繰り返すアルゴリズムでした。
  • AIとは「頭脳」です。 現在のAIは、過去のデータから「自ら最適なルールを学習し、判断を下す」ことができます。

AGIの登場は、2010年の「決められた手順で動く高速なプログラムが、「自ら考え、行動する超高速な頭脳へと進化することを意味します。

この進化により、市場の短期的な変動(ボラティリティ)がさらに激しくなる可能性が高いのです。

参考事例: 2010年5月6日にニューヨーク株式市場で発生した「フラッシュ・クラッシュ(Flash Crash)」では、高頻度取引アルゴリズムの連鎖的な売りにより、株価がわずか数分で大暴落しました。


AGI時代に備える3つの行動指針

AGI時代に最も恐れるべきは、「行動しないこと」による後悔です。

変化が早いからこそ、「どうせ無駄だ」と行動を止めてしまうことが、あなたの未来の利益を最大に損なう行為となります。

行動指針①:AGIに依存しない「非課税資産」の最大化

AGIがすべての知識労働を代替する時代が来ても普遍的な価値を持つ資産こそが最強です。それが「哲学」「大局観」「質問力」といった知識です。

人間だけができる非課税資産を活かした仕事に集中する守備戦略が必要です。

AGIが作り出す短期的なノイズ(最新技術の流行など)を無視し、「AGI時代にも変わらない人間の本質」や「社会の構造変化」といった大局観を学ぶことにエネルギーを注ぎましょう。

普遍的な知識は、変化のスピードが速いほど価値が最大化します。

行動指針②:知識投資の「効率」を上げる具体的行動

「正しい質問」ができる力への投資

AGIは、あなたの質問の質以上の答えを出しません。

あなたが「何を本当に知りたいのか」「何を判断したいのかを明確にする質問力こそが、AGI時代で価値のある非課税資産となります。

検索力から質問力の時代へ確実に変化していきます。

最近私に起きた具体的なケースだと、AIジェミニに「後悔ゼロ研究所のドメインを変えるべきか?」と、相談したことがありました。

以前運営していた筋トレ系雑記ブログの名前を変更して後悔ゼロ研究所を立ち上げたため、ドメイン名(kintorehome.com)が後悔とまったく関連が無かったからです。

当初、ジェミニは私にドメインを変えるように提言しました。

しかし、その後このドメインを8年利用していることを付け加えたところ、一転してドメイン変更するべきではないと主張が変わったのです。

ドメイン名とブログ内容の関連性よりも、ドメインエイジの有用性を評価したということです。あやうく、8年運営したドメイン捨てる所でした。

雑な質問をすると、役に立つどころか害になる回答をすることもあるのが、今のAIです。

AGI時代到来に向けて質問力を磨き、AIを賢く使う力を高めていかなければなりません。

AGIを「壁打ち相手」として使う

AGIに自分の「思考の穴」や「論理の矛盾」を指摘させるトレーニングを行い、意思決定のノイズを事前に排除しましょう。

私の具体例を挙げると、ブログ記事は公開する前に必ずジェミニにチェックしてもらい、様々な助言をもらっています。

時には手厳しく、時には的外れな意見と振れ幅はまだ大きいです。原稿チェックの際の私の質問力にも問題があるかもしれません。

しかし、ジェミニとの対話は確実に記事の質をあげ、思考の整理に役立っているのを実感しています。

何事も一度AIに投げる習慣を身に着けることで、自然と行動が最適化されていきます。

普段の生活にAIを取り入れている人とそうでない人では、すでに差が付き始めています。

AIデバイド時代の始まりです。

行動指針③:金融資産は「ノイズ回避」を最優先

AGI時代に後悔しないための金融戦略はシンプルです。

AGIによる短期的な変動リスクを避けるために、広く分散されたインデックスファンドで守備を固めます。

AGIがもたらす複雑な金融商品や、AGIを利用した一発逆転を狙うハイリスクな個別銘柄の誘惑はノイズでしかありません。

AGI時代においては、インデックス投資というシンプルな守備戦略の価値がますます高まっていくと予想しています。

AGI時代もバリュー株投資は生き残る

私個人としては、バリュー株投資が通用する限りは、AGI時代に突入してもバリュー株投資を続けていく予定です。

バリュー株は時価総額が小さすぎて機関投資家が参入できない(マーケットインパクトが起こす構造的障壁)銘柄が多いです。

この状況は、AGI後の世界でも解消されることはないでしょう。

しかし、AGIが定量分析により割安株候補を即座に発見するのは避けられません。大量データ処理はAIの得意分野だからです。

それにより決算書が読めない人でもバリュー株を見つけやすくなります。とはいえ、実際に売買するのは人間であることに変わりありません。

個人投資家は感情で売買する人が大半なので、投資ルールを確立した真のバリュー投資家は、AGI時代においても変わらず生き残っていくことでしょう。


AGI前夜の落ち着かない夜に読む一冊

書籍紹介:『生成AI真の勝者』

この本は、AGIが社会や経済にどのような影響を与えるのかを、技術的な仕組みだけでなく、各国や企業がどのような戦略を立てているのかという視点から詳しく解説しています。

AGI時代に「後悔しない勝ち組」となるために、私たちは何にリソースを投資すべきか、という長期的な視点を与えてくれます。

未来への漠然とした不安(ノイズ)を、具体的な「行動指針」に変えるための、最高の教科書となるでしょう。

まとめ

AGI登場の予感は、私たちに「恐怖」ではなく「知識への投資サイン」を与えてくれました。

労働の自動化と市場の超高速化というノイズが加速する時代に、後悔を最小化する行動指針は、金融資産ではなく知識という非課税資産にリソースを集中することです。

AGIが作ることができない「哲学」「大局観」「質問力」といった普遍的な知識は、時代の変化のスピードが速いほど、その価値を最大化します。

AGIのノイズに惑わされず、あなたの人生の軸となる知識資産を磨き続けましょう。

【AGI時代を生き抜くための次の行動指針】

AGIによる社会のノイズをさらに深く理解し、あなたのFIRE戦略の軸を確立するために、こちらの記事も併せてお読みください。

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