10年以上前に大きな虫歯を患い、このままではそう遠くない将来、歯を失ってしまうんじゃないかという恐怖から虫歯予防に目覚めました。
予防にこだわるようになってから、幸いなことに虫歯になることはほとんど無くなりました。虫歯にならなければ、治療にかかるお金と時間の両方を節約できます。怖い思い・痛い思いをすることもありません。
治療より予防に力を入れた方がはるかに楽ですし、リターンも大きいです。
今回は、私が愛用している歯ブラシ・歯磨き粉・デンタルフロス・フッ化物洗口剤をご紹介します。
歯ブラシ
まずは王道の歯ブラシです。歯ブラシなくして歯磨きはできません。私は2種類の歯ブラシを使用しています。歯ブラシの種類によって磨く部位を分けます。
タフト20プレミアムソフト
タフト20はヘッドが小さくて磨きやすい
タフト20プレミアムソフト。実はこの歯ブラシは子供用です。6~12歳までを対象とした歯ブラシです。
子供用の歯ブラシの方がヘッドが小さく小回りが利くので、歯を一本一本磨くのに適しています。
私は身長175センチほどの成人男性です。頭の大きさも人並みでしょう。それくらいの大きさの人間でも、大人用の歯ブラシより子供用の歯ブラシの方が磨きやすいのです。
私見ですが、歯ブラシ製造会社が大人向けに作っている歯ブラシは大きすぎます。
ヘッドが大きい歯ブラシは、細かい箇所の磨き残しが発生しやすいのでオススメできません。
50年100年後の予防歯科が十分に浸透した未来の日本では、歯ブラシの重要性もきちんと認識されているでしょうから、おそらく全体的にヘッドが小さくなっていくんじゃないかと予想しています。
正しい歯磨きのやり方は歯医者で習う
歯磨きの仕方がよく分からないという方は、歯医者さんでマンツーマンで指導を受けましょう。実際に目の前で見てもらうのが一番確実です。
次に歯医者に行ったときに、「歯磨きのやり方を教えてください」と必ず歯科衛生士さんにお願いしましょう。
予防歯科が徹底されている歯科医院ならば、患者がお願いしなくても毎回のように歯磨き指導があるんですけどね。
人はすぐに忘れる生き物なので、歯磨きのやり方も定期的にチェックを受けなければどんどん適当になっていきます。
とりあえず今日のところは、歯科衛生士youtuberさんに歯磨きを学んで、磨き方を意識的に変えていきましょう。
ブラシの毛がとても柔らかいプレミアムソフト
タフト20の毛の硬さは、プレミアムソフトがオススメです。毛先がとても柔らかいので、歯と歯肉の間に毛先を入れてこちょこちょ磨くとマッサージされているようで気持ち良いです。
歯磨きをしているとぼーっとしてしまい知らず知らずのうちに力が入っていることが多々あります。そんな時でも、プレミアムソフトのように柔らかい毛質ならば歯肉を痛める危険性が小さいので安心です。
毛質が柔らかいからといって、プラークが落ちないということはありません。 プラークが落ちる落ちないは、歯ブラシの毛質の硬さではなく、歯ブラシがきちんと歯に当たっているかどうかです。
1か月も経たずに毛先が開いてしまう場合は、力が強すぎます。親指と人差し指の2本(部位によっては中指も入れて3本)だけで持つと、不必要な力が入らないので、軽い力でじっくり磨くことができます。
歯は硬くても歯肉は柔らかく傷つきやすいことを忘れずに歯磨きしましょう。
飽和ポリエステル樹脂(PBT)はナイロンより4倍以上長持ち
タフト20は飽和ポリエステル樹脂(PBT)製です。ナイロン製の歯ブラシよりも耐久性が優れています。
ナイロンより4倍以上長持ちするので、1か月くらいは使用できます。
1か月間、毛先が開かず歯ブラシとして機能が落ちないまま使用できる点が高評価です。
ナイロンは毛先が開きやすいので1か月もたせるのは難しいでしょう。
1か月経過したら、まだ使えそうでも捨ててください。いくら洗っても歯ブラシの毛束の根元は汚れていきますからね。 不衛生ですので、新しいものに交換しましょう。
V7(ブイセブン)コンパクトヘッド
V7(ブイセブン)はちょっと変わった形の歯ブラシです。毛の長さが普通の歯ブラシよりもとても長いです。
その長い毛を、つまようじで歯の隙間を掃除する感覚で通して、歯と歯の間を磨いていきます。
磨き方の名称も、ずばり「つまようじ法」です。
加齢によって歯茎が下がってくると、歯と歯の根元部分の間に三角形の隙間が出来てきます。この部分は虫歯になりやすいので、注意が必要です。
通常の歯ブラシでは磨き辛い箇所なので歯間ブラシの使用が推奨されています。私は歯間ブラシの代わりにV7(ブイセブン)を使用しています。
詳しい使い方は動画で確認できます。
歯科衛生士youtuberかすみやんさんも仰っていますが、ひとつの歯ブラシですべての歯を綺麗に磨くのは困難です。
歯と歯の間はV-7(ブイセブン)がオススメです。すべての歯の間に柔らかい爪楊枝を通している感覚なので、磨き終えた後清々しい気持ちになります。
普通の歯ブラシでは届かなかった部分を念入りに磨けるのは爽快の一言に尽きます(≧▽≦)
歯磨き粉
最近はフッ素濃度が1450ppmFの歯磨き粉が増えてきました。フッ素は歯の脱灰を抑制し、再石灰化を促進します。簡単に言うと、フッ素を利用すると虫歯になり辛くなるということです。
フッ素が含まれていない歯磨き粉には虫歯予防効果はありません。歯磨き粉を選ぶ際は必ずフッ素が含まれているものを選択しましょう。
チェックアップスタンダード(check-up standard)
チェックアップスタンダードは、もう10年以上使用しています。10年以上前に大きな虫歯が出来てしまった際に、将来、歯を失わないためにも良い歯磨き粉はないか探してたどり着いた一品です。
当時はフッ素が含まれている歯磨き粉がまだ一般的ではなかったので、その頃からフッ素配合していたチェックアップの存在は有難かったですね。
チェックアップは低刺激・低研磨性かつ泡立ちも少ないので、長時間の歯磨きに適しています。歯を一本一本丁寧に磨くと、5~10分くらいは普通にかかります。
歯磨きに5分もかからないという人は、磨き残しが発生している可能性が高いです。丁寧に歯を磨くと、どんなに手慣れた人でも5分はかかります。
親知らずを除くと歯の数は28本あります。1本あたり磨くのに約10秒かかると仮定すると、5分=300秒くらいはやはりかかってしまいます。
親知らずが生えていたり歯並びが悪かったりすれば、歯磨きの難易度が増すため、時間はさらに伸びるでしょう。
私も歯磨きには結構時間を使っています。黙々と磨き続けるだけだと歯磨きが苦痛になってしまうので、Youtubeを見ながら歯磨きすることが多いです。
長い動画ならば、20分くらい歯ブラシを口に入れたままということも良くあります。1~2分で口をゆすぎたくなってしまうような辛い歯磨き粉では出来ない芸当です。歯磨き粉に刺激は不要です。
チェックアップスタンダードは価格も手頃なので、たっぷり歯磨き粉をつけて使用できます。歯磨き粉は必ずたっぷりつけてください。歯磨き粉に含まれているフッ素が虫歯予防の重要な要素なので、歯磨き粉を少量しかつけないと虫歯予防効果が落ちてしまいます。歯ブラシ全体にのせる感じでOKです。
昔の常識では歯ブラシの1/3とかありましたけど、1/3という数字に科学的な根拠はありません。
今の常識は、歯磨き粉をたっぷりつけるです。歯科医学の世界も日進月歩なので、常に最新の研究報告を取り入れ、古い知識はゴミ箱に捨ててしまいましょう。
歯磨き粉をつけないのは論外です。昔は歯磨き粉をつけると歯磨き粉のさっぱり感で磨けていないのに磨いた気分になってしまうからつけずに磨く方が良いという指導がありました(私も実際にそう指導された)が、その知識は古いので今すぐ忘れてください。
歯磨き粉をつけずに歯を磨いても虫歯予防効果は期待できません。虫歯予防のメインはフッ素です。
デンタルフロス
歯と歯の間を磨くために欠かせないのがデンタルフロスです。歯と歯がぴたりとくっついている隣接部分は、歯ブラシでは十分に磨くことができません。V7の長い毛束も、ぴったり歯と歯がくっついているところは通りません。
上のグラフが示す通り、歯ブラシのみでフロスを使わない場合、歯間部のプラーク除去効果は6割程度しかなく、これでは虫歯になるのも当然です。
デンタルフロスの使用者人口は増えつつありますが、まだまだ使ったことのない人が大半だと思います。この記事を読んで初めて知ったという方も少なくないでしょう。
フロスの使い方が良く分からない方は、こちらの動画で使い方を学ぶことができます。
フロアフロス
虫歯と歯周病の予防にデンタルフロスは欠かせません。 私が愛用しているデンタルフロスは、イタリア製のフロアフロスです。
さまざまなデンタルフロスを使用してきましたが、フロアフロスが一番使い勝手が良いです。一度使えばその品質の高さを実感できます。明らかに違うのですぐ分かります。
デンタルフロスによる歯と歯の間の清掃は、実は200年も前から効果があると言われていました。しかしながら、200年経った現在でも、その普及はまだまだです。
フロスの歴史がざっと分かる動画を見て、そんな昔から虫歯や歯周病を理解していた人がいたのかとびっくりしました。
繊維の国イタリア・ミラノ産
フロアフロスは、繊維の街でもあるイタリアミラノ製です。高品質なので、使用中にフロスが切れることはまずありません。実際に数年使用していますが切れたことは一度もないですね。
フロスの繊維が粗悪だったり低品質だと、銀歯など被せ物をしている歯の間にフロスを通したときに引っかかる確率が大幅に高まります。
フロスが引っかかって抜けなくなると悲惨です。横から引っ張って抜くこともできないほどしっかり引っかかった時は、口からフロスを垂らしながら途方に暮れました。質の悪いフロスほど厄介なものはありません。
まとめ買いしたフロスが粗悪品だったときは泣けました。デンタルフロスに限りませんが、初めて使用する製品は、まず1個買って使い心地を試してからまとめ買いすることをオススメします。どんなに安くても使ったことのない製品をまとめ買いしてはいけません。
フロアフロスの品質に関しては私は太鼓判を押せますが、それでも歯の状態は人それぞれですから、まずは1個買って自分の歯に合うかどうか試してみると良いでしょう。
私の歯は詰め物だらけですが、フロアフロスを使用するようになってからは引っかかって抜けなくなる事は一切なくなりました。
フロアフロスはノンワックスなので、使用している最中にツルツル滑ってうまく握れずイライラすることもないです。ノンワックスタイプは、ワックスタイプよりも歯垢(プラーク)をより除去できるので、私はノンワックスタイプのフロスが好きです。
フロアフロスは2種類発売されています。長さが違うだけなので、普段使いはコスパの良い250mタイプをオススメします。私はいつもまとめ買いしています。小さい45mタイプは旅行や外出先での使用に適しています。
フロアフロス250mタイプには詰替え用があります。ケース製の物よりもコスパが良いので、ケースがすでに手元にある方は、詰め替え用がオススメです。
フッ化物洗口剤(フッ素洗口剤)
ここでショッキングなお知らせです。これまで歯ブラシ・歯磨き粉・デンタルフロスのご紹介をしてきましたが、実はこの3つを使用しても虫歯を防ぐことは困難です。
なぜなら毎日自分の歯を完璧に磨くことなんて到底不可能だからです。世の中に虫歯にならない人がいるのは完璧に磨けているからではなくて、歯質がもともと強かったり、唾液の殺菌能力が高かったり、口腔内の虫歯菌の数が少ないなど恵まれた体質によるところが大きいです。
虫歯になりやすい人は、歯磨きしてフロスしているだけでは高確率で虫歯になります。しかし、安心してください。そんな虫歯になりやすい体質の人でも、フッ化物洗口剤を使うことによって虫歯になる確率を激減させることができるのです。
歯ブラシとフロスでしっかり磨いた後、仕上げのフッ化物洗口が虫歯予防の要となります。
下のグラフを見てもらえば一目瞭然ですが、歯磨きだけの場合と、歯磨きにフッ素洗口をプラスした場合では、唾液中のフッ素滞留量がまったく違ってきます。
フッ化物洗口剤(フッ素洗口剤)は、虫歯予防に最も効果を発揮します。日本人の虫歯を大きく減らすためにも、全国の歯科医院が取り扱うべき薬剤です。
ミラノール
フッ化物洗口剤ミラノールは虫歯予防の横綱
フッ化物洗口剤ミラノールは虫歯予防の横綱です。ミラノールなくして虫歯予防は語れません。
私自身、ミラノールを使い始めた当初は半信半疑でしたが、ミラノールを使用するようになって十数年、ほとんど虫歯になることは無くなりました。
歯ブラシやフロスで丁寧に磨いても、磨き残しは残念ながら発生してしまいます。完璧に歯を磨くことはできません。
フッ素には細菌の酸生産抑制効果があるので、 磨き残したプラークがあってもフッ化物洗口をすることで虫歯の原因菌の活動を抑え、虫歯になる確率を減少させることができます。
フッ素洗口剤で口をゆすげば、歯と歯の間も、歯と歯肉の間も、詰め物の隙間にもフッ素が届きます。1分間クチュクチュするだけでいいのですから楽です。
フッ化物洗口剤による虫歯予防効果はすでに証明されていて、世界中で安全に使用されています。 今、私がほとんど虫歯にならずにすんでいるのは、間違いなくミラノールのおかげです。
小さい頃にフッ化物洗口剤に出会えていたら、今のようなほとんどの歯を削っているボロボロの状態にならずにすんだなといつも思います。 私が生まれた頃にはすでに販売されていたのにまったく普及していなかったせいで、その恩恵に預かることができませんでした。
虫歯予防にこれほど効果のあるフッ化物洗口剤が、ほとんどの歯科医院で取り扱われていないのは日本の歯科医療の闇と言っても過言ではないでしょう。
ミラノールはほぼ歯科医院でしか購入できない
ミラノールは医療用医薬品のため、アマゾン・楽天市場・ヤフーショッピングといったネットショップでは購入できません。
ミラノール最大の難点は、取り扱っている歯科医院の数が恐ろしいほどに少ないことです。近所の歯科医院にミラノールが置いてあったら、かなりラッキーです。
ミラノールを置いている歯科医院は予防歯科に力を入れている可能性が高いので、定期的に通える歯科医院を見分けるための目安にもなります。
ミラノールが置いてある歯科医院を見つけられなくて困っている方は、ミラノールを販売している歯科医院を見つける方法を書いた過去記事を参考にしてみてください。