18歳になる痴呆気味の老犬リンの介護をしています。
2018年7月より、睡眠導入剤(セルシン)を服用しています。
睡眠導入剤使用までの経緯はこちらの記事をどうぞ。
私の老犬リンの状態(2018年8月29日現在)は、こちらの記事をごらんください。
老犬が眠らない理由
老犬の状態は日に日に悪化している。
今では目が覚めたらすぐに鳴き始める犬になってしまった。
抗けいれん薬と睡眠導入剤セルシンを使用しても効果は薄く、ひどい時は1時間ちょっとで目を覚まし、また鳴き始める。
犬の睡眠時間は、短いときだと10時間を切るような状態だ。
8時間しか眠らない日もある。
犬が起きている時間は、ひたすら犬の相手をしていなくてはならない。
1日14時間以上、犬の様子を見続けるのはしんどい。
犬の睡眠時間が減るにつれて、私の睡眠時間も大幅に減ってしまっている。
今は1日3~4時間しか眠ることができない。
9月24日にフィラリア予防薬を買いに獣医に行った際に、薬で眠らせることには限界があると言われた。
疲労しないと眠くならないのは、犬も人も一緒である。
再び、安楽死について検討して欲しいという説明を受けた。
つまり、獣医学ではもはやどうにもならない状態に陥ってしまっているわけだ。
確かに今の状態が続くようであれば、安楽死を選択した方が良いのかもしれない。
回復の兆しはなく、症状は毎日ひどくなる一方だ。
安楽死を選択するべきなのだろうか?
この問いに答えはない。
自然死と安楽死、どちらを選んでも不正解だろう。
いずれを選ぼうが選ぶまいが、私は残りの人生後悔し続けるはずだ。
話がそれてしまったので、元に戻そう。
薬で眠らせることに限界があるならば、残る方法は疲労させることだけだ。
疲労させるためには、運動を十分にさせる必要がある。
しかし、犬はまともに歩くことができない。
数歩歩けばよろけてひっくり返ってしまうような状態だ。
倒れるたびに、体のあちこちを土やコンクリートの地面に打ち付けてしまう。
庭を歩かせる際は、犬が倒れても大丈夫なように常に横で補助しているが、そうやって歩かせるのにも限度があるし、犬が倒れることを100%防げるわけではない。
疲労させるために運動させたいが、犬が倒れると危険なので運動させられない。
何か良い方法はないだろうか?
この背反する問題の解決法を考えていたときに、思い浮かんだのが海だった。
柔らかい砂浜を歩かせれば、倒れてもケガをすることはないし、犬が疲れ果てるまで運動させることができるのではないだろうか?
老犬を海に連れて行くことにした
幸いなことに、我が家は海まで歩いて数分の距離にある。
犬がまともに歩けていた頃は、よく浜辺を散歩したものだ。
最後に犬を海に連れて行ったのは、1年以上前だろうか。
遠い昔のことのように思える。
浜辺に駐車場はないので、連れて行く場合は犬を抱っこして、海まで数分の距離を歩かなければならない。
痩せてきたとはいえ、中型犬だ。体重はまだ14キロ以上ある。
私は普段から筋トレをして体を鍛えているが、それでもこの重さを抱えて数百メートルの道のりを往復するのはしんどい作業だ。
犬は荷物ではないので、楽な担ぎ方は当然できない。
犬が不安にならない安定した体勢で抱えて移動しなければならない。
犬が落ち着く姿勢は、持ち上げたり支えたりする飼主にとってはしんどい態勢になることがしばしばだ。
介護をしていてつくづく思うのは、私の犬が小型犬だったらどんなに良かっただろうということだ。
体重というのは、介護をする上でとても大きな意味を持つ。
一度犬の介護を経験したら、大型犬など恐ろしくて飼えないだろう。
しかし、泣き言を言っている場合ではない。
犬の残り時間はあと僅かだ。
いつかこんな日が来ると分かっていたからこそ、こんなときのために筋トレをしてきたのだ。
私が筋トレを始めた理由のひとつに、犬の介護の際に筋力が必要になるだろうという意識が常にあった。
筋力が十分にあれば、犬を安定して抱えることができる。
筋力が足りないと、不安定な持ち方になり、犬が不安になって鳴く。
中・大型犬を飼っているならば、筋トレは必須だ。
飼犬の体重と同じ重さに設定したダンベルを抱えて、どの程度移動できるのか試してみたりするのも良い。
2Lのペットボトル6本入りケースを持てば、12kgの犬を抱えて移動するシミュレーションにもなる。
体力が不足していると感じたら、今すぐトレーニングを開始しよう。
腕立て・懸垂・スクワットの3種目が筋トレの王道、かつ、オススメ種目だ。
私が筋トレを始める際に揃えた筋トレ器具も参考にどうぞ。
それと、筋トレだけしても肉体は強くならない。
十分なカロリーとタンパク質の摂取が不可欠だ。
普通に食事をしているだけでは、たんぱく質の量が不足してしまうので、肉体を酷使する老犬介護期間中は、積極的にプロテインを摂取するべきだ。
老犬介護で共倒れになってしまう事態は、絶対に避けなければいけない。
過酷な老犬介護を乗り切るには、強靭な肉体が不可欠だ。
私が愛飲しているプロテインについてはこちらの記事をどうぞ。
【関連記事】タンパク質15gに増量! 明治ザバス・ミルクプロテイン200mlがリニューアル!
現在の老犬介護の一日
犬は目が覚めると鳴き始める。
鳴き声が聞こえたら、スタートの合図だ。
寝ていようが何をしていようが中断し、即座に犬のもとへ駆けつけなければならない。
そして、すぐさま犬を抱えて海まで抱っこして運ぶ。
体重14kg超。
一歩踏み出すたびに、犬を抱えた腕にずしりと重さがのしかかる。
重さで手が痺れてしまうので、途中休み休み歩く。
浜辺についたら、犬を砂浜に下ろす。
犬はヨタヨタと歩き出す。
不思議なことに、砂浜だと犬は結構しっかり歩く。
硬い土やアスファルトの上だとすぐ倒れてしまうのに、この差は一体なんなのだろうか?
倒れても砂がクッションになるので、ダメージはなさそうだ。
自力で起き上がることはもはや出来ないので、倒れるたびに起こす必要がある。
倒れては起こして、また歩かせる。
それを30分~1時間繰り返す。
興奮がひどい時は、もっと長くなるときもある。
疲れが見え始めたら、睡眠導入剤セルシンを1/2錠飲ませる。
しばらくすると薬が効き始め、足元が覚束なくなり、立たせても歩けずすぐに座り込んでしまうようになる。
やがて砂浜に横になって大人しくなれば、もう家に連れて帰っても大丈夫な合図だ。
すぐにでも寝そうな雰囲気の犬を抱っこして、来た道を引き返す。
今のところ、このやり方がうまくいっている。
砂浜で疲れ果てさせてしまえば、家に帰っても大人しく寝てくれる確率が高いので手間がかからない。
おまけに、疲労している状態でセルシンを飲むと、普段よりも長く眠ってくれる。
5~6時間程度は寝てくれるので、その間に私も休むことができる。
海へ行く回数は、だいたい1日に3回程度。
最初はひどい筋肉痛に悩まされたが、体が順応してきたおかげで今はだいぶ楽に運べるようになった。
海まで連れて行って疲労させる方法がいつまで通用するかは分からないが、うまく行っている間は、砂浜を歩かせる生活を続けるつもりだ。